ふうこブログチャレンジ

エンタメに生かされる日々

どんな出会いもそんなもんでしょう

みなさまいかがお過ごしでしょうか。こんばんは。こちらはイタリアの地、2020年1月16日20時29分です。「今日」「いま」と打つだけでこの時刻を入力することができました。便利すぎますね。

年の瀬からしれっとイタリアに留学し始め、早3週間が経過しようとしています。正直なところ、21年軸足を置いて住んできた日本から離れる心もとなさは、3週間の思い出で埋められるほどのものではなく、気を抜くとすぐ帰りたくなりそうであまり考えないようにしています。ストレスアンテナみたいなものをなるべく立てないようにというか、嫌なことに気づきすぎないように、ほんとは嫌だけど目をつぶっていることが沢山ある気がしています。
部屋の窓が北向きで太陽の光がまっすぐ入る時間は無いこと、自販機で紅茶花伝クラフティー贅沢絞りピーチティー(私が一番好きな飲み物)*1が買えないのも、今日のアメトーークが録画できないのも、初日に洗濯したらすごく気に入っていた新品のふわふわピンク色のタオルが切ない褪せたピンクに色落ちしたことも、見たい日本のサイトが開けないことも、本当はけっこう嫌なのに、ふふん平気だもんね!という顔をしてごまかして生活しています。あれ、書きだすといろいろ気づいてしまってちょっと困りますね。

この前、ルームメイトの女の子たち全員が恋人をわりと頻繫にお部屋に連れてくることが判明したとき、わたしの中の何かがぶん、と飛んですごく惨めな気持ちになってしまって、生ハムとサラミを100グラムずつ買いに行きました。ヤケ肉です。もー、みーんな恋してるんだから!(泣)という気持ちになります。

日本、ひいては東京がとびきり便利なことも痛感します。なんだあの何でもあるサービス精神にあふれた街は?日本でわたしたちが当たり前と思っている社会の仕組みを作ったひとのひらめきと努力に頭が下がりまくります。プリッツとかすごくない?開けて箱にプリッツ立てかけられるんだよ。

何でもあるといえば、ハマくんことハマ・オカモト大先生が東京のことを「僕にとっては なんでもあるけど なんにもない街」とインスタのストーリーで称していたのが印象的でスクショしてお気に入りにしてあります。ずっと住んでいたら、なんにもないって思っちゃうのかなあ。そういえばどうでもいい話だと思うんですが、星野源はストーリーのことを「ストーリーズ」って言います。さらにどうでもいいんですけど私の副ゼミの先生はRADWIMPSのことを「RADWIMP」って言います。何にだって正式名称はあります。

話が少しそれましたが、まあ嫌なものは嫌ですし、あんまりストレスを見て見ぬふりをしすぎるのも良くない気がします。お疲れ様だよ、がんばってるよねと自分をねぎらいながら今日は眠ろうと思います。しあわせキャンペーン開催ということにして、トリートメントもして、カモミールティーも淹れちゃおうかなと思います。

でも、いいこともあります。生地から手作りのラザニアは食べるととってもやわらかいこと、わたしの住む町はちょうどの時間になると鐘の音が聞こえること*2、こっちに来て必要に迫られて買った黒いスキニーがお・値段以上の心地よさなこと、日本の作品があまり観れない分海外のドラマや映画作品に目を向けられるようになったこと、カイジの沼編*3を読んでみたくなって衝動的に『賭博破戒録カイジ』5~13巻を読んだら悪魔的に面白かったこと(正直わざわざ海外ですることではない)、わたしがちょっと寝不足で浮かない顔をしていたらクラスの子がめっちゃ心配してくれること。嫌なことのほうが力が強いものだからそっちに頭を持っていかれてしまうけど、良いこともたくさん見つかります。今日は、星野源のインスタライブを観れちゃったこととスーパーで軽い気持ちで買った120円のピスタチオのアイスの表面がきらきらしていて、結構美味しかったことが両者一位タイです。タイの使い方合っているかな。

こんな感じでややささくれているので、日本での思い出にすがりたくなります。有難いことにいろんな人が夏から秋、冬にかけて会ってくれたので、思い出すと嬉しくなれることでいっぱいです。ふと思い出して笑ったり、写真や動画を見返して早く会いたいなあと思ったりしています。久しぶりの人、良く会う人、前はすごく会ってたけど今は全然会わない人。特に、前は頻繁に会ってたけど最近は連絡もあんまり取らないなあという人に対していつも思い出す台詞があります。ひとつ引用しますね。

「偶然出会って、時間が経てばまた、ほどけてバラバラになっちゃう。どんな出会いもそんなもんでしょう?」-『セクシーボイス アンド ロボ』(木皿泉

木皿泉さんは、ご夫婦で脚本家をされていて、『すいか』『野ブタ。をプロデュース』『Q10』などのドラマ作品が有名な方です。やさしくて、ユーモアと人間味があって、世の中もわたしも捨てたもんじゃないかもと思えるお話や言葉をつくる方という印象があります。『昨夜のカレー、明日のパン』*4という本もあるのですが、「明日のパン」って文字にすると不思議な感じがするけれど、普段の会話では「明日の(朝食べる)パン買っといて」って使ったりしませんか?こんなことに気づける細やかな方なのです。ぜひいつかどこかで木皿さんを体感してみてください。

この台詞は一見突き放したような台詞に見えますが、わたしにとっては凄くなぐさめになる一言です。今までのどんな出会いも慈しむことができる気がするのです。たとえば、わたしが以前ボランティア活動に一緒に取り組んでいた仲間たちは、活動時は実家にいる家族よりも頻繫に会っていたくらいでした。ただ、活動にひとくぎりついた今では皆忙しくてそう頻繁には会えず、サムギョプサルを食べに行っても最初の30分くらいは久しぶりでなんとなく緊張したり、全員揃う時間は一瞬だったりします。これから先もきっと会えるとは思うけれど、過去のある時点でそうであった関係(文法の教科書じみている)のように時間を過ごすことは難しいんだろうな、もしかしたら無いのかもしれないと感じます。*5

これはわたしにとって結構さびしいことなのですが、でもこの台詞が「そんなもんでしょう」と肯定してくれるのです。これまでのさまざまな人生の一瞬あるいは一時期で関係が深まった人たち、おそらくあなたにもいると思うのですが、なかなかずうっとその関係は続かないものです。でも、そういった誰かとの関係は環境や時間が移ろうこと、あるいはもっと些細なきっかけでばらばらになってしまうもので、ある意味当たり前に変化するものなのだから仕方ないと。関係が弱いとか脆いとかそういうことではなくて、どんな出会いもそうなんだよという言葉はたくさんの関係の中にいるわたしたちに対してとても優しくありませんか。

わたしは、この台詞を思い出すと今は頻繁に会わないけど…という関係も大切にしていようと思えます。そして同時に、いつばらばらになってもおかしくないのに、今も続いている出会えた関係を大切にしたくなれます。ちょっと考えすぎかもしれませんがそんな気持ちになれるので、とても好きな台詞のひとつです。

ぱっと書いてお風呂にすぐ入ろうと思っていたのに、すっかり寝る予定だった時間になってしまいました。さあさあ、すやりと寝ましょう。夜を待ちきれずに公開してしまうので日本は朝ですね。寝る前に書いた文を朝のテンションの人に読んでもらうの恥ずかしい気もしますが。

あなたとあなたの大切な人たちにたくさんのハッピーが訪れますように。
みんなでいい夢見て、なるべく楽しく生きていきましょうね。今日もなんとか乗り切っていきましょう。

イタリアより、愛をこめて
ふうこより

 

*1:ほんとにおいしいよ。甘いフルーツティー好きだったらとてもお勧めだよ。

https://c.cocacola.co.jp/kochakaden/craftea/peach.html

*2:Le campagne!って思ってるよ笑

*3:霜降り明星のふたりの話を聞いているとやたら登場する。パチンコのばけものみたいな台「沼」に挑むギャンブラーたちのお話。絵柄が独特だけど展開がスリリング・知的・熱い戦いでめっちゃ面白い。これを読むと「僥倖・・・!」とか、「店は必ずしも公平でなくてもいいが、客に公平感は与えねばならん」とか、独特の語彙が増える。

www.amazon.co.jp

*4:

www.amazon.co.jp

*5:いや、でもそんなことないかもな。サムギョプサルを食べたみんなたち、ゆっくり旅行にでも行ったらゆっくり話せる時間もあるし、楽しいかもよ。わたしは南房総あきらめてないからね、うふふ